よしづきくみち「君と僕のアシアト~タイムトラベル春日研究所」6巻完結!
気づくと3年も経っておりました・・・
最近読んでおもしろかったマンガをご紹介します。
紹介の場合は、基本的にネタバレはなしでいこうと思います。(レビュー・感想はネタバレありです)
君と僕のアシアト〜タイムトラベル春日研究所〜 1 (ジャンプコミックスデラックス) (2010/01/04) よしづき くみち 商品詳細を見る |
あなたには、変えたい過去がありますか?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
脳内に過去を再現する「インブレインタイムトラベルシステム」をめぐる叙情派SF。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「魔法遣いに大切なこと」「フレフレ少女」などで知られるよしづきくみち先生の初オリジナル長編です。
よしづきくみち先生といえば、「魔法遣いに大切なこと」「フレフレ少女」など原作つきのマンガを描かれてきた方ですが、このオリジナル作品では見事なストーリー構成力が発揮されています!
最近6巻で完結しましたが、最初から最後までストーリーを練っていたんだなぁと。
途中でたびたび「!?」となる唐突な展開に驚かされましたが、後で「これはこういうことだったのか」と納得することが何度もありました。
ストーリーは、
脳内に過去を再現するインブレインタイムトラベルシステムを研究・提供している春日研究所の美人所長・風見鶏亜紀と助手の宮山さんのところに、過去に何らかのしがらみを抱えた人々がやってきて・・・
という1話~数話完結の話で始まりますが、後半からは主人公・風見鶏亜紀と妹・瑞紀をめぐる物語がメインになっていきます。
このタイムトラベルでは、
実際に過去に行くわけではなく、あくまで個人の脳内に過去を再現する、というところがミソです。
過去を変えられる訳ではないけれど、
あの時できなかったこと
あの時気づかなかったこと
あの時言えなかったこと
をやっていたらどうなっていたか?を体験することで、一人ひとりの過去の捉え方、心の持ちようが変わってくるんですね・・・
作者コメントでも言われていますが、
過去は、前に進む原動力にもなり、足かせにもなる
ということが描かれています。
全巻読了後は、心が洗われるような気持ちになりました。
ちなみに、宮山さんの過去のお話がこちらの短編集に載っているので、あわせてこちらも読むのがオススメです。
君と僕のアシアト (よしづきくみち短編集) (ジャンプコミックスデラックス) (2008/08/04) よしづき くみち 商品詳細を見る |
まとめると、
横軸として、研究所を訪れる人々の物語があり、
縦軸として、研究所の所長・風見鶏亜紀の物語があり、
随所に伏線がちりばめられつつ、さまざまな登場人物の心情を描ききった良作です。
表紙のカラーイラストも独特の透明感があってステキです♪
ぜひ多くの人に読んでほしい作品です!
特に、こんな人にはオススメです。
ストーリーがおもしろいマンガが読みたい人
ちょっと変わった科学SFもの読みたい人
人情ものが好きな人
こちらで試し読みもできます。
【個人的オススメ度】☆☆☆☆☆☆☆☆ 8