学級サスペンス~「校舎のうらには天使が埋められている」「ARISA」
こんにちは!
今日は学校を舞台にしたサスペンスを2本紹介します。
小山鹿梨子先生の「校舎のうらには天使が埋められている」既刊4巻と
安藤なつみ先生の「ARISA」全12巻です。
校舎のうらには天使が埋められている(1) (講談社コミックス別冊フレンド) (2012/01/13) 小山 鹿梨子 商品詳細を見る |
ARISA(12) <完> (講談社コミックスなかよし) (2012/09/06) 安藤 なつみ 商品詳細を見る |
■「校舎のうらには天使が埋められている」のあらすじ
理花は引っ込みじあんな女の子。やっとできた友達とはなれ、赤ヶ瀬小学校に転校してきました。
「新しい学校で、新しい自分にかわりたい!」と意気ごんできたものの、なかなか勇気をだせません。
そんな理花に最初に声をかけてくれたのは、勉強も運動もできる、かんぺき美少女のあいちゃんでした。
■「ARISA」のあらすじ
上原つばさと園田ありさは双子の姉妹。両親の離婚で、はなればなれだった2人は3年ぶりに再会した。
それは、とても楽しい再会となるはずだったのだがーー。
双子の妹・ありさに起きた悲劇。その裏に隠された「王様」を追う双子の姉・つばさ。
予測不可能の学園サスペンス!!
この2作品はどちらも、学校を舞台としたサスペンスなので共通点がいくつかあります。
まずはその整理から。
■共通点
・学校の1つのクラスが舞台となっている。
「校舎うら」は小学校の4年2組、「ARISA」は中学校の2年B組のクラスメイトが主な登場人物です。
・クラス内で権力を持つ首謀者と仲間たちがいじめを行う。それはクラスの誰かをスケープゴートにする陰湿かつ残虐なもので次第にエスカレートしていく。クラス内でその秘密が共有されている。
「校舎うら」は、勉強も運動もできる完璧美少女蜂屋あいが、クラスメイトの誰かを「わんこ」に、「ARISA」では王様と呼ばれる誰かが「王様ゲーム」を行い、クラスメイトの願いを叶える一方で邪魔者を排除していきます。
どちらも、首謀者の命令に従わなかった者が裏切り者として制裁を受けます。
・主人公がそのいじめに立ち向かっていく
「校舎うら」では、クラス内で孤立していた光本菜々芽が、「ARISA」では2-Bのクラス委員長であるありさに扮した双子の姉のつばさが首謀者に立ち向かっていきます。
・絵がきれい
どちらも、非常に絵がきれいで男女問わず読みやすいです!
・講談社の雑誌で連載
「校舎うら」は別冊フレンド、「ARISA」がなかよしで連載ということで、雑誌の対象年齢の違いが、作品中の描写にも影響を与えているかなぁと思います。
では次に相違点です。
■相違点
・首謀者の正体が明らかになっているか
「校舎うら」は前述のとおり女王蜂 蜂屋あいが首謀者ということが最初から分かっています。一方「ARISA」では王様の正体が物語のカギとなる謎として描かれています。
・小学生か中学生か
「ARISA」の方は携帯電話を利用した王様ゲームを行うなど、小道具がいろいろ出てきますが、「校舎うら」は小学4年生でもあることから、もっと無邪気ないじめとなっています。
・教師は?
「ARISA」ではクラス内の事件について教師たちはほぼノータッチ(気づいていない)ですが、「校舎うら」ではいじめに気付いて何とかしようとする教師、現実を見ようとしない担任教師、など教師たちも事件にかかわってきます。
どちらも、スクールカーストといじめという、現実の世界でも起きている問題を題材とする一方で、「わんこ」や「王様ゲーム」のように実際にはここまで統率された組織的事件は起こらないだろう(というか、起こってほしくない)をうまくサスペンス的要素として描いている作品です。
実際の小学生や中学生が読んだらちょっと刺激が強すぎると思いますが
(もし自分に子どもがいたら、高校生になったら読んでいい棚に置いておきますw)
大人が読む分には、自分の小学生や中学生時代を思い出しながら読んで楽しめると思います。
大人になった今だから分かることですが、学校やクラスの中だけが世界の全てじゃないよ
と言ってあげたいなぁ。
おもしろい学園サスペンスを読みたい方にはどちらもオススメです!
それでは~
【個人的オススメ度】
校舎うら ☆☆☆☆☆☆☆☆ 8
ARISA ☆☆☆☆☆☆☆ 7