峰浪りょう「溺れる花火」全2巻
こんばんは~
今回は、最近見つけたイチオシの漫画家さんの作品を紹介します!
溺れる花火 1 (ビッグコミックス) (2010/01/29) 峰浪 りょう 商品詳細を見る |
現在、小学館のケータイマンガサイト『モバMAN』(エロ寄りですが…)で「ヒメゴト~十九歳の制服~」を連載中の、峰浪りょう先生の作品です。
ケータイマンガサイトって、過激な描写だけで話の中身が薄い作品が多いのでめったに読まないんですが、これはオススメです!久々に掘り出し物を見つけた感じです。
■あらすじ(Amazonの内容紹介より)
病弱な彼女・小秋と、肉体関係のない交際を続けていた泳太。だがそんな彼の前に、小秋の従姉妹・夏澄が現れ、「私は完璧な代償」と言い寄ってきて…。快楽と罪悪感の狭間で揺れる、恋と欲望の物語。
●主な登場人物
酒島泳太(19歳の大学生。小秋と高3から付き合っている)
三津谷小秋(泳太の彼女。体が弱く、入退院を繰り返している)
夏川夏澄(小秋の従姉妹。2年前に大学卒業した会社員。どこか小秋と似た雰囲気を持つ)
小川ナナ(泳太のバイト先の同僚。年上の彼氏がいて、泳太に悩みを打ち明ける)
あらすじだけ見ると、そんなに珍しい設定じゃないんですよね。けれど、巧みな心理描写と次々に変わっていく登場人物たちの関係性。読み始めたら止まらない。
理想(純愛)と現実(性欲)の狭間で揺れる泳太・・・
特に後半は、欲望に流されるままのしょーもない男に見えてしまいますが、似た経験がある男性ならけっこうグサリと来るかも?
そんな泳太を見ながら、小秋と夏澄はそれぞれ何を願っているのか?
タイトルにもある「花火」。これが効果的なモチーフとして使われています。
一瞬で消える儚さ。ひと夏の思い出。花火を誰と見るか。
あと、主人公の名前「泳太」。「泳」げるのに溺れてしまう。こんな遊び心?も好きですw
結末はこうなってしまうのか・・・、と思いきや二転三転してこう来るか!と。最後まで目が離せませんでした。全2巻で見事にまとめ上げています。
掲載誌が掲載誌なだけに、知名度はまだあまりないかもしれませんが、ぜひ多くの方に知ってもらいたい、今後が楽しみな作家さんだと思います。
強い刺激やドロドロの濃さがあるわけではないんですが、淡々と進む物語の奥に隠された抑えきれない感情がもつれ合っていく、そういった作品が好きな方には特にオススメです。
「ヒメゴト~」の方はまた別の記事で紹介します!
それでは~
【個人的オススメ度】☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 9